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山田雪江のフロント日記
第7章 エピソード 4 止めときゃいいのに
雪江がフロントに立っていた時のことである。

比較的若めの男と女が入ってきた。
30代・・くらいに見えた。

いつものように雪江は、客が部屋を選ぶのを
ぼんやり見ながら待っていた。

だが、その客、女のほうは
高めの声でごねていた。
内容を簡単に言えば、
ホテルに入るのは困る、というような事だった。

さっさと部屋を選び
フロントでキーを受け取っている男の背中に
キイキイとした声で待ってくれと懇願していたという。

・・なんなのかしら?あの女・・

雪江は扉の閉まるエレベーターを怪訝な目つきで眺めた。

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