この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
山田雪江のフロント日記
第11章 早く決めなよぉ
まずさ、入ってくるところから時間がかかったわけよ。
入るってもちろんホテルの中へ、よ。
入り口でモジモジ突っ立ってんのよ。
何分ぐらいいたかしら、10分、20分?もっといたかしら。
若~いコ、高校生?ってくらい若いカップルでさ。
女の子が躊躇ってたみたいでさ、でも男の子は根気よく待ってたわよ。
で、やっと入ってきました、そこからがあーた、長~いのよ!!
部屋の写真がパネルになってて、入りたい部屋のボタンを押すっていう
あれのまえでずーっと!動かないの!
どの部屋にしようか迷うほど空室があったわけじゃないのよ。
それなのにじーっと動かないでさ、
石になっちゃったのかと思うくらいだったわ、あっはっは!
結局ね、45分よ、迷ってたの!
こっちだってさ、やることいっぱいあんのよ!
アメニティ揃えてさ、破れた布団の修復したりさ、忙っそがしいの!
だけどお客がいるわけだからさ、フロントから離れられないし。
やっと入ったと思ったら1時間くらいで出ちゃったの。
まったく、せっかくサービスタイムに入ったんだから
もっとゆっくりしてけばいいのよ。
出たら清掃しなきゃならないじゃない、仕事増えんのよねぇ。
・・・・・・・雪江さんは一気にまくしたて、
えっ!ワインが100円だって!と
ものすごい素早さで呼び出しボタンを押していた・・・