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電動人形
第8章 動揺
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私は元々車内観察が趣味だから、異常な男女二人が乗ってきたのに気づいた。
春先は可笑しな人が増えるのも毎年のこと、しかし明らかに何かが起こりそうな予感に、関わらないまま観客でいようと決め込み、平静を装っていた。
てっきり男が何かを始めるのだと思っていたが、女性に合図した後、周りにぶつかりながら降りてしまう。
それもわざとだ。
それを機にぶつかられた客たちは、好奇の目で若そうな女性を見ていた。