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電動人形
第39章 侵入者
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『ここを通しなさい。』

ギャラリーで出来た防壁が割れる。

現れたのは警察官の二人組だった。

『何をしている。』

事態に気づいたギャラリーは、そそくさと場所を移動する。

『女性がこの車両でレイプされていると通報があったんだが…』

背面から来た警察官に男は悪びれずに言った。

「ここにいますよ。ただしレイプではないと思いますが…

ご覧ください。
どちらかというと俺が襲われているというか。」


確かに男は両手をつり革に置き、立っているだけで、人形が自分から腰を打ち付けて快楽を貪っているようにしか見えない。

しかも、人形は欲に溺れて警察官に気づいていないのか、妖しい声をあげているのだ。

更に縄目を這わせた体をしならせている姿は、どうみても被害者には思えなかった。
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