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ハツコイ♥アゲイン
第2章 兄妹格差
……そりゃ、ね。
22歳のあの時の私は大学4年で
今思い返すと自分でも不思議な程、将来に何の迷いも不安もなかったんだ。
内定が決まった友達と遊び三昧だったし
彼氏は常にとっかえひっかえするくらい、ハンパなくモテてたし
女って武器を最大限に使いまくってた。
……だけど
大学時代が1番幸せだったかと聞かれるのなら、私の答えは迷わずNOだ。
「うん、違う」
「……え?」
「リア充アピールしてたのは合ってるけど、私のピークはもっと前だよ」
“ 俺がお前と同じキモチだから ”
─── その瞬間に、世界が変わった。
目に映る全てがキラキラと輝いて
スキップしながら進む道は、まるでピアノの鍵盤の上かのように
1歩踏み出す度に美しいメロディーが耳をくすぐる。
そう、私は無敵だった。
……だったのに
「……あっつぃ…」
お兄ちゃんから視線を逸らして、口から漏れたのはまたその言葉。
大好きだった夏の太陽も、今の私には眩し過ぎて直視出来ない。