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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
── 9年前
大学3年の春の時点で、既に海外勤務を見据えていたあいつは
付き合うのは大学を卒業するまでの2年間限定だと、さらりと条件提示をしてきやがった。
お前のこと、ちゃんと好きだし
彰にも真剣だってことは伝える
だけど自分のビジョンをかなり前から決めているから
それに納得できないなら、始めから付き合うのはやめよう
どうしたいかは胡桃が選んでいいよ、と。
~~どんだけだよ!!
彼女になってと吹っかけてきたのはそっちなのに、マジでありえない!
と、16歳の乙女な私はそれはそれは憤慨したけど
どうしようもなく陽向に恋をしていたから、承諾する以外に選択肢が無かったんだ。
いやでも待てよ。
2年間で私の魅力をアピールしまくれば、考え直してくれるかもしれない♡
っていうか別に遠距離恋愛したっていいじゃんか♪
だいたいハイブランドメーカーの本部に入れるわけないでしょ~って
半ば楽天的に、プラス思考に考えていた。
……だけど
そんな淡い期待は、バッサリと切られるという結末
名残惜しさなんてものは微塵も感じさせずに、有言実行
陽向は私を捨ててスペインへと旅立っていったのだ。