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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
輝く太陽の下、並木の新緑の葉がキラキラと光って
この暑さでも心が軽くてなんだか心地いい。
「……陽向」
彼の名を呼んで、私は石柄模様のタイルの上で止まった。
「先週、ありがとう」
「……!」
「渡してくれた腕時計ね。
バイトで外に出てる時は、机の引き出しの中に閉まってるんだよ」
アスファルトの歩道に出た陽向が振り返る。
……お互いの間に引かれた、見えない境界線。
仕事中だから当然だけど、ここまでだ。
「最初ね、宝箱に入れてお爺ちゃんの仏壇に乗せたの。
昔からお爺ちゃんのこと大好きで、守ってくれそうって思って。
でもお父さん達がやめろって」
「……そりゃ、俺でもそう言うわ」
「陽向が渡してくれた意味、私なりに理解したつもりだから。
もうちょっとだけ預からせてね」
「………」
「心配しなくても、お兄ちゃんに見つかる前にちゃんと返すよっ」