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第3章 再会トラップ

「……呪うなっての」


渋谷区のど真ん中、人でごった返すスクランブル交差点。
待ち合わせ場所のカフェの前に立って、溜息と共に独り言が漏れた。


華の金曜日、６時３０分。
街がキラキラと輝く今夜は、カラッとした空気で心地良い。


……１週間前

実兄による大迷惑な提案に従った、素直で優しい妹が

30分後に迫った飲み会に出席する為、こうしてこの場に立っているのだ。


「～～うわ、また来た！
みんな往生際が悪いなぁ」


ピコピコうるさいっ！
電源切っちゃいたいよもう！

復活したばかりの携帯。
１週間前から着信とメールの総攻撃でお祭り状態になっている。


……ていうか、知らぬ間にどれだけ拡散したんだろう。

私が誘ったのはピッタリ３人なのに
誘ってない子からも続々と意思表明と抗議が来るのはなぜ？



『ねぇ胡桃、いくら払えば参加資格をもらえる？』



……世の中には
色んな金儲けの方法があるんだな……