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ハツコイ♥アゲイン
第3章 再会トラップ
渋谷駅から、徒歩10分。
ごちゃごちゃした駅前からセンター街を抜けて、さらに奥へと進んでいくと
喧騒から離れた高級住宅地へと辺りは変化する。
知ってる人じゃなければ、忽然と現れた石畳みの階段は降りれない。
大人の隠れ家という呼び名がまさに相応しい。
……参加しないくせに、お兄ちゃんが選んだという今夜の合コンの場は
和テイストの光る、個室だけのビストロ人気店だった。
「さっすが胡桃のお兄様♡
さっきメニュー見たらお値段も意外に安いし、ここもキープだなぁ♪」
私の自己紹介なんて、すでに聞いてませんってくらい
アパレルの子は、次々と運ばれてくる絶品和食に夢中だ。
……ま、確かに。
見た目も美しい創作料理が、久しぶりに飲むお酒に凄く良く合う。
脂の乗ったこのあぶり〆鯖刺なんて、最高。
ていうか外食自体が数ヶ月ぶりなんだよな、私。