この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ハツコイ♥アゲイン
第11章 笑顔でいてほしいから
陽向は口を閉じて、何も言わずに私を見下ろしている。
呆れるレベルさえも通り越したのかもしれない。
「……私なんかが、出しゃばってごめんね」
震える手で、陽向の手を握った。
……これだけは伝えたい。
信じてほしい。
「陽向に、ずっと笑顔でいてほしいの」
「………!」
「結果お兄ちゃん達と、前と同じ関係に戻れないとしても
陽向の抱えた想いを、陽向のやり方で開放してほしい」
「………っ」
「……陽向が、本当の意味で自分を好きになれるように」
“ 胡桃が、胡桃自身を好きになれるように、がんばれ ”
私が今伝えた想いは
陽向が私の背中を押してくれた言葉であって
そのまま彼に同じ言葉を伝えたところで、説得力の欠片もない。
それでも
「きっと大丈夫だよ。きっと」
心からの私の願いが
陽向の心にほんの少しでも届きますように
そう祈らずにはいられなかったんだ ───