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ハツコイ♥アゲイン
第12章 restart
「~~ブツブツうるっせぇな!」
「え?」
「仕事忙しいなら戻れよ! 働け日本男児!」
途中から心の声が声に出ていたらしい。
陽向がビールグラスをテーブルに叩きつけた。
まだ2杯しか飲んでないのに荒れてるなー。
そんな調子で大丈夫かよ。
「戻れないよ。こう見えてもトモダチオモイだから」
「はぁ?」
「だってこれから彩ちゃんへの告白大会が開催されるにあたってさ。
審判が必要じゃん」
「~~なんだ大会って! 戦うわけじゃねぇっての…」
「え? 戦わないの? 俺、仲裁役になるつもりでもいたんだけど」
「負けるに決まってんだろーが!
あ~~ちょっと彰マジ少し黙れ」
普段クールを気取ってるから、余計に自分の乱れ具合に疲れるらしい。
煙草を咥えて火を付けた陽向が、大きく溜息を漏らした。
……約束の時間まで、あと10分。
“ お兄ちゃん、ごめんなさい ”
“ 陽向の本音を聞く前に、私の本音が先に出ちゃったの。
余計なことをしたって猛省してる ”
“ でも、私、どうしても陽向に…… ”