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ハツコイ♥アゲイン
第4章 DO・ストライク
* * *
伝統的な格子を生かした、店の入口の引き戸。
携帯片手に勢いよく開けて、私は1人店の外に出た。
『もしもし』
淡い橙色のガーデンライトが照らす、石畳の階段。
その手前に立ったタイミングで電話が繋がる。
「お兄ちゃん!!」
自分の耳もキーンとするほど、デカすぎる私の第一声。
ちょうど誰もいない店の前で、夜空に向けて響き渡った。
や、やばい。
手も足も震えてうまく喋れない。
個室からここまでこんな短い距離なのに、私の息は既に切れている。
『おー胡桃』
「〜〜お、お兄、ちゃ…」
『どうよ飲み会。楽しんでるか?』
こっちが必死だというのに、相変わらずその声は爽やかでイラッとする。
……楽しいとかいう以前に……!
「ひゅ、ヒュ、陽向が……!」
『え?』
「陽向が来たんだけど!!」
『………』
「面影…っ 面影ちゃんと残ってるんだよ。
だけどなんていうか前にも増して……っ
ねぇ、一体どういう…」
『ははっ』
………!!
『あっはっは』
「~~笑うな!!」