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ハツコイ♥アゲイン
第5章 妹の元カレ×元カノの兄
軽く聞いてみたけど、実は前から秘めていた願いだったりする。
友人として、人として、ただ単純にシンプルに。
胡桃と兄妹だからなのか、不思議とこの男に惹かれる自分がいるんだ。
─── そして
その答えが決まっているってことも、聞く前から既に分かってる。
「……ここまできたんだ」
視線を落としたまま、陽向が自分の左手首を少しだけ上げた。
「この国で生まれたとはいえ
本部から支社に自ら希望を出すなんて……出来ねぇよ」
一流の男に相応しい、銀色に輝く文字盤。
誰もが憧れる高級時計ブランドの、金字塔。
腕時計そのものの歴史を作った、世界中のファンを魅了するメーカーだけど
製造や販売以外の開発・本隋は、意外と謎に包まれていて
その中に飛び込み、今尚働き続けているんだから
……そりゃ、戻るなんて言うはずがないよな。