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第9章 詫びのしるし

気付けば私は彼に見とれていた。

彼を一方的に犯しながら、彼の色香に酔っていた。

彼と視線を絡め……灼熱には指を絡める。

罰を与えているのはこちら側なのに、どういうわけか私のほうがいよいよ堪えきれなくなって

終わりを急いだ指が力強さを増してラストを急ぐ。



ｽ──



そしてまた、葉川くんが私の頭に手を添えた。

それはｲｸ直前──ブルリと下肢を震わせながら、髪ごしにうなじに触れてくる。

そちらから触るなと言っているのに。



「そろそろ……休憩は終わりね」

「では打ち合わせに…ｯ──向かいましょうか」



こりずに顔を寄せてくる。

唇がふれ合う寸前で止まって──そして

最後の数センチは私から近付いた。



私からキスをした。



お互いに汗をかいていたから、湿り気のある唇がピタリと吸い付いた。








こんなところで何をいちゃついているんだかと

もし、車外の誰かが私たちを見ていたとしたら呆れているだろう。


まさか死角となる場所で、女の手が男の下肢に伸ばされていて…

彼の灼熱が、薄いゴムの中で白濁した欲を解放しているなんてこと


…誰も、想像しないでしょうけれどね。












───…