この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第11章 かつての男
啓輔( ケイスケ )と付き合っていたのは、去年のクリスマスから四月の上旬まで。四ヶ月弱。
今までの彼氏と比べたら長く続いたほうだったと思う。
彼は中学の時の同級生で、当時 陸上部のエースだった彼は女生徒たちの憧れだった。
お互いに社会人になった私たちが再会して、付き合うことになったのは、それこそすごい偶然で──。
──…
「こんな風にばったり会うの、二度目か…」
「そうね」
湿気を感じる六月の午後。
コンビニの出口で元彼とはち合わせることになった私は、想定外の出来事に面喰らっていた。
「マジでびっくり──…つっても、お前は相変わらず冷静だな」
「…そうでもないわ」
けれど無表情に定評がある私の動揺は、彼に伝わっていないらしい。
それならちょうどいいから、平静をよそおうことにする。