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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第11章 かつての男
「おー、そうだぞ立花。たまには常識的な時間に帰ったらどうだ」
どの口がそんなことを言っているのか知らないが。
パソコン作業中の藤堂さんは画面から目を離さず、…だから、今の瞬間に私に睨み付けられていると気付いていない。
「事務所に残る最後のひとりはきまって立花だそうじゃないか。熱心なのはいいが、ここはお前の家じゃないぞー」
「……。(ピキ…)」
この忙しさ…
誰のせいだと思ってるのよ。
「先生もああ言ってくれてます」
「──…、…ふ」
「今日くらい休んでください」
「…わかったわ、ありがとう」
ええ上等よ。だったら帰ってやろうじゃないの。
私の心の中はかってに喧嘩腰で、あとの二人はそんなこととも知らずに気遣うような言葉をかけてくる。
デスクに引き返した私は鞄を掴み、作り笑顔を浮かべて出口へ向かった。
「お疲れ様でした」
「──…そうだ、待て立花。リレーマラソンの件なんだが」
「断ります」
バタン
──カラランっ
....
「悪いが立花も登録してしまった…──て、もう帰ったのか……」
「──…いいんですか、それで」
「怒るだろうな……コワイ」
「──…」