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第13章 僕は玩具

何も聞かなくていいから

シテ欲しい──


「──…本気ですか？」

「ええ…」

「付き合ってもいない男と寝ることを、先輩は嫌っていませんでしたか？」


俯いている私からは、今の葉川くんがどんな顔をしているのか知り得ない。

呆れているだろうか。

遊び半分の女の、面倒な場面に遭遇してしまったことを後悔しているかもしれない。


──でも、きっと葉川くんは断らない。


それはこの二ヶ月間、彼と過ごしてきたからこそ予想できる。

彼は腹の底でこそ何を企んでいるのかわからないけれど、外面だけは好青年──。

他人の頼みを断らないから。