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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第14章 消去と諦め

そして特にきっかけもなく、右手の人差し指が画面左下のメニュー画面を開いて

《 消去 》と書かれたところをタップした。


《 連絡先を消去しますか 》


消去か、キャンセルか

選択画面が現れる。


これを消せば啓輔との関係は完全に終わりを迎える。

別れた後もいいお友達でいましょうとか、そういう付き合いは苦手だから。

だからこれで──全部を終わらせる。それは今までの彼氏も同じだった。


…でも今回はそれだけじゃない。


「……」


これを消すということは、私の中のひとつの諦めを決定付ける。


いつか誰かと結婚するとか、家庭を持つとか、世の女性が憧れるようなときめきの未来を諦めるということ。

だって私にはその資格がないから。

私には何かが欠けていて…まともな恋愛ができないと十分に思い知ったから。

もういい加減、疲れたの。

だから私はこの連絡先を消して、もう何も期待せず仕事に打ち込んで生きる。

これがそのための第一歩──。





「──…せ…ん、ぱい…」


「……」


「おはよう…ございます」




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