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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第20章 貴女が涙を流すなら
「はい、付き合っています。それは今日の僕たちを見て伝わりましたよね?」
「ああ……よく伝わったさ。だから焦っているんだ」
もうひとりは葉川くんだ。
漂う香りから察するに、二人で珈琲を飲みながら立ち話してるみたい。
そして……
私が戻ってきた事に気付いていないみたいだった。
「今さら焦ったところで手遅れですよ。藤堂先生」
「まさかあの立花が……君を受け入れるなんて予想外だった」
「それなりに苦労しましたから」
私が聞いていると知っているなら
今すぐこの会話は──中断される筈だから。
「君はまるで疫病神だな」
「否定はしませんが。…約束は守ってくださいよ」
「わかっている…っ。ハァ……頭が痛い。立花も、悪い男に捕まったもんだ」
「……そうですね」