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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章 ~ この身勝手な小悪魔と
申し訳なさそうな表情をした後
「立花は怒ると思うが……」
私の顔色を伺いながら話し出した。
「俺と葉川くんで " 賭け " をしたんだ。─…ああいや、本当に勝手な話なんだが」
「賭け…」
癪にさわる言葉だが、今は怒らないでおく。
「リレーマラソン以前にな、相談があると言って葉川くんに呼び出された。そこで彼に、立花を独立させるべきだと言われたんだよ」
「葉川くんが…? どうして私の独立について…っ」
「俺も疑問に思ったが、彼の提案は真っ当だった。だが……だからと言ってすぐに認めるわけにはいかなくてな。立花ほど優秀な部下がいなくなるのは…この事務所にとって大きな損失なんだ」
「…渋ったんですか」
「ま、その時はな…(汗)」
…──
『 君の言い分もわかるがなぁ…。ひと言で独立と言っても、そう簡単な話じゃないんだぞ。今どき建築界は不況の嵐でだな… 』
『 …そんなに先輩を手放したくないですか? 』
『 へ? あ、…いや。まぁー、そりゃあな 』
『 だったら僕と賭けをしませんか、先生 』
『 賭け? 』
『 僕がこの夏中に先輩と恋仲になれたら…僕の勝ちということで 』
『 ──は!? こ、恋仲? 君たちはそういう関係だったのか? 』
『 まだですけど 』
『 まだなのか…… 』
『 僕が勝ったら、先輩の独立を全力でサポートして下さい。藤堂 大 先生 』
『 ……っ 』