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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第4章 誘惑のドライブ
真ん中からの景色。
さら地を囲む小高い山と、その向こうに広がる空。
パシャ パシャ
見落としがないように全ての角度を撮った後、今度は別の場所へと走った。
入り口の車道から、敷地全部が入るように
そこからの景色も際限なくカメラにおさめる。
私には写真のセンスなんてないから、そのぶん枚数を撮らなきゃね。
“ 暮れかけの太陽が良い位置に見えるわ。空を邪魔する物もないし。これを借景に上手く建物を設計できれば…… ”
敷地の形は確かに扱いづらいけれど、周りの景色は悪くない。
プレゼンに載せるパース( 完成予想図 )は夕暮れ時がいいかしらと、さっそく頭の中で想像を膨らませていた
──ちょうど、そんな最中に
「先輩」
私が覗くカメラのレンズに、葉川くんが写りこんだ。
「僕の存在を忘れないでくださいよ」
気付けば夢中になっていたらしい私の前で、彼が不服そうに苦く笑っている。