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第5章 カラダから始まる

いつもみたいに意味ありげに笑っていたほうが、まだマシなのかもしれない。


「先輩が軽い女かどうかとか、付き合ってきた男の数とか」

「……!?」

「…正直、それはどーでもいいです」


…何？

何を…言いたいの？


「僕は先輩が欲しいです。だからこうして…誘っています」

「…欲しい…ｯ…って、なによ」

「お察しのとおりかと」


結局はカラダ目当てと言っているのか。

論外ねと、突き放したい、のに…！

真剣そのものの彼の話し方が、私にそれをさせてくれない。


「だから…っ…本気なわけじゃないでしょう…!?」

「…何故、そんなふうに言い切られてしまうのかわかりません」

「君に好意を持たれる覚えがないからよ」

「過去に先輩に告白した男達と、たいして変わらない理由だと思いますけど」

「……見た目ってこと？」

「さぁ……」

「……っ」


こんな正面切った誘いなんて初めてだから、さすがに私でもかわし方がわからない。