この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔
それから数分後、運ばれてきた料理が銀トレーにのってきたことに私は衝撃を受けた。
執事が出てきても可笑しくない店だとは思ったけれど、ここまで徹底した雰囲気づくりには頭が下がる。
食器の細部にまで気を配った設計。
葉川くんの行きつけらしいこの喫茶店は、まだ何も食べていないのに私の心をも掴み始めていた。
“ ハァ…またしても計算外… ”
好みが似てるだなんて、思いたくもないのに。
「──…どうかしましたか?」
「……」
「もしかして先輩、ぶ厚いふわとろパンケーキのほうがお好きでしたか?それなら朝食のチョイスを間違えたかな…」
「それは、違うわ」
「たいていの女の子はそちらのほうが喜びますからね」
「…ふふ」
私みたいなのを捕まえて「女の子」だなんて、変なことを言うわね。
すぐに食べようとしなかった私を心配したらしい葉川くんだが、その心配は必要ない。
「わかってるでしょう。私がそんな可愛い女じゃないってこと」
私はおしぼりで手を拭いて、熱い珈琲をまず口に含んだ。