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【マスクド彼女・序】
第5章 四日目・五日目【表側の景色と裏側の闇】

 顔ナシさん >HNのことです。

 ×一さん  >HNって、僕の?

 顔ナシさん >はい。以前から気になっておりまして。

 ×一さん  >何処が、でしょう?

 顔ナシさん >×一さんの「×」は、「X(エックス)」ではなく―

 顔ナシさん >「×(かける、或いはバツ)」ですね?

 ×一さん  >そうです。

 顔ナシさん >そして「一」は、マイナスではなくて漢数字の「一」

 ×一さん  >はい。

 顔ナシさん >つまり「×一」は「バツイチ」の音読で認識しておりましたが?

 ×一さん  >あはは。ええ、その通りですよ。

 顔ナシさん >と、なると…

 ×一さん  >バツイチ――すなわち、離婚歴の有無?

 顔ナシさん >ええ…不躾ながら…

 ×一さん  >はい。その名のままに、僕はバツイチです。

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