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第8章 　今の妻と元妻　ー 医療面接 ー

春香の夫、博己と天才外科医が結婚したのは、4年前
つまり、博己にとって2番目の妻である。

柴門美千代(36)が、アメリカから帰国してすぐの頃に、二人は出会う
そして、出会ってわずか2ヶ月で結婚する。

当時、恵巳(18)は看護高等学校(5年制)に通う為、博己の家に居候していて
必然的に恵巳は、柴門と暮らしていく事になった
博己と将太の親子に、姪の恵巳、そして、新しく妻となった柴門
楽しい、4人暮らしが2年続いたが
恵巳(20)が就職し、博己の家を出てすぐに、二人は離婚する。
...
そして4ヶ月前、恵巳が勤める大学病院に、柴門がやってきたのだ
2年ぶりの再会に、二人は驚いた。

～そして今～
驚きのあまり、声も出ない春香がいた。
...
恵巳が、春香に声を掛ける
「春香さん、大丈夫？」
「.....」
春香は、ただ頷くだけだった。
...
落ち着きを取り戻した春香が、恵巳に聞く
「ひろ君は、柴門先生がココにいるのを知ってるの？」
「いいえ、春香さんと結婚したばっかの頃だったから、言ってないんです」
「そうなんだ。柴門先生は？」
「博巳叔父さんが、再婚したのは伝えましたけど...」
「もしかして、私がその再婚相手だと、知ってるんじゃない？」
「たぶん。柴門先生は事前に、学用患者の事を調べてから、講習に臨みますから」
「やっぱり...」
初対面であるはずの柴門が、春香の名前を知っていた謎が解けた。

これから始まる、夫の元妻による、婦人科の臨床実習
とてつもない不安に駆られる、春香だった。