この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
お礼の時効
第6章 今日は私とベッドで過ごしましょう
夜明け前のひんやりとした冷気に、浅いまどろみから春季は意識を引き戻された。
湿り気を帯びたむき出しの背中に冷たい空気の流れを感じ、瞼を開く。
霞む視界に入ったのは、暗い室内を灯しているルームランプで、それは暗闇に浮かんでいるように思えた。

あたりはしんと静まりかえっていて、背後から和臣の寝息が聞こえていた。暖かい呼気が春季の背中に伝う。体に残る余韻が昨夜の情事の名残を思い起こさせた。

うつぶせのまま眠りに付いたためか首が痛い、体を起こそうにも和臣が自分にしがみつくように眠っているため動けない。
このままでは確実に風邪を引いてしまうと感じ、春季は体を起こそうとした。
すると春季の動きに目を覚ました和臣が、春季の腰に廻した腕の力を強め、背中に顔をすり寄せてきた。
息をひとつついたあと、和臣は体を横にずらし、うつぶせになっている春季の体を抱き寄せた。

どうやら寝ぼけていたようで、和臣はそのまま寝息をたてて眠ってしまった。
春季は和臣の暖かい腕の中に体を潜り込ませ、和臣の鼓動を聞きながら昨夜のことを思い出していた。

思いがけず昔の恋人に会い、手ひどい仕打ちを受けた。和臣は自分を守ると立ち向かうつもりでいたがそれを抑えた。
自分のことなど構わない。ただ和臣を貶める言葉に怒りを覚えた。

なぜあんなに怒りを覚えたのかわからない。ただ無性に腹が立った。

昨夜の和臣は優しく触れた。
癒すような優しい口づけに心が震えた。体に触れる唇も指も全て優しくて涙が止まらなかった。
いつまでも泣き止まない自分に和臣は困った表情を浮かべ、流れる涙を唇で受け止めてくれた。
春季と自分の名を呼ぶ声が優しくて、また涙がでてしまった。
蕩けた顔で自分の名を呼ぶ和臣の姿に、堪らなくなり抱きしめていた。
春季が和臣の名を呼ぶと、煽るなと言う低い声に体の内側から溶けそうな感覚を覚えた。

思いだすと恥ずかしくなり、また和臣の胸に顔を埋める。
和臣の腕がまた力を増し、春季の体を抱きしめてきた。
春季の体にのこる心地よい疲労感が眠りを誘い、春季は瞳を伏せた。
/80ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ