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小田桐菜津子と七つの情事
第3章 甘い舌の三人目
彼女に書いたメールのとおり、私は基本的なポリシーとして、こちら側から連絡先を知った女性に、プレイをリクエストすることをしないことにしている。自分の欲望のためでなく、あくまでも女性の欲望を満たすのが私自身のスタンスである、と考えているからだ。このスタンスは厳格に守らなくては、女性のほうからリクエストがやってくるいまの状態は維持できないだろうと考えている。
セックスとはかくも微妙なものなのだから。
けれどもまたメールのとおりだが、私はそのルールを破ってでも、彼女に二度目のプレイを熱望していた。
彼女とのプレイが終わってからしばらくの間、私の脳裏でずっと彼女の身体が思い起こされていた。
これまでに相手した中では、もっと奔放な女性もいたし、もっと欲望に忠実で、言い方は悪いが淫乱な女性もいた。男の理想のような女性とのプレイもないではない。
しかし自分の中で八朔さんほど、二度目を熱望した相手はいなかったのではないだろうか。
それは彼女が、いわゆる普通の人だったからだろうと思っている。
性に関して臆病で、でも隠し切れない興味を持った、その辺にいくらでもいる普通の女性だったからこそ、私は自分の手で、彼女を育成してみたいと思ったのかもしれない。