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小田桐菜津子と七つの情事
第2章 二度目はクンニリングス
そうキィタイプしたとなりの人の肩に、そっと、手を回してみた。
彼女はすこしだけ身を固くして。
でも、振り払うでもなく、ただ、うつむいたままで。
ぼくはその手に力を込めた。
彼女の身体をこちらに引き寄せて。
彼女は、お尻の位置は動かさず、上半身だけを、ぼくの胸に傾けた。
そしてうつむいたそのショートカットの頭が、ぼくの顎の下に入った。
八朔さんの髪の香りがした。
やわらかい、彼女の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
「ずっと――――」
かすれそうな声で、ぼくはその頭に言った。「こうしたかった」
胸がドキドキした。
ぼくらはしばらくそのままでいた。
彼女はなにも動かなかった。
やがてぼくが抱きしめる腕を離し、彼女は身体を起こした。
八朔さんはうつむいて、こちらを見ようとしなかった。
「ごめん、不愉快だった?」
彼女は下を向いたまま、小さく首を振った。
そしてキィタイプを始めた。
ぼくもPCに向き直る。