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「また おいで」
第9章 終宴
どのくらいそこにいたんだろう。。。
なんとかベンチにたどり着いていた。
車掌さんらしき人が近寄ってきた。
「だいじょうぶですか?」
わたしはうつむいたまま
「だ・・・いじょうぶ・・・です」
そう答えるのでいっぱいいっぱいだった。
何があったかなんて話せない。
見た目に服の乱れはないが
躰の熱で服は張り付き、
スカートの中は “あの人” を欲しがって疼いている。
あの指で、あの手で、あの声で.....
もっとかき乱されたい抱かれたい。
男たちの目で、手で、犯されたい。。。
胸の服と腿のスカートを掴んでいた。
「またのご乗車を 心より お待ち申し上げております」
(『また おいで』)
あの声が蘇る・・・
(あっ.....)
少し目をやると
車掌さんらしき人は
白い手袋を胸に当て、深々とお辞儀をしていた。
帽子で顔は見えないが、隙間からのぞいた口元は
微かに笑みをたたえていた。
“あの人” なのかはわからない。
ただ・・・
去っていく後姿は、若くて細身で
白い手袋が良く似合っていた。。。