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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第26章 "考"

「ずっとお慕いしていたのです、一度で構いません、私の我が儘を聞き入れて下さい!!」
瑠衣迫真の演技である・・・
瑠衣はワザとらしく斎藤の耳元に唇を寄せる…
"お願いです、今は合わせて下さい"
耳元で小さく斎藤にお願いする瑠衣…
斎藤も意味が分かったのか小さく頷いた。
「…あぁ…其処まで言うならな…
ただし一度だけだぞ…」
そう言って瑠衣に口付けした。
絡み合う唇……
瑠衣は腕の力を強めて更に密着する…
幾らさらしを巻いてても、密着すれば女だとバレる‥勿論それを承知で……
瑠衣の胸が斎藤に当たる、男の胸板とは違う柔らかい感触に斎藤は驚く…
この感触、考えられるのは一つ……
「お前…お…んっ…!!」
斎藤の言葉を遮る様に自ら舌を絡め、唇を吸う。
「んっ…んんっ…」
女とバラしたのは、決して男色行為では無いと安心させる為。
今までの行動で、斎藤にはその気は無い事が良く分かっている…
でなければ、自分と総司に多少なりとも、ぎこちない態度は取らないだろう。
もし斎藤が男色ならば、そのような目で自分達を見る筈、だが斉藤にはそれは無かった。
だからこそ、女とバラして安心させないと、拒まれる可能性がある、今此処で拒まれると、後ろの浪士達が怪しむ…
其れだけは避けなければならない。
瑠衣と斎藤は更に口付けを深め、斎藤も積極的に舌を絡めて来る…
「あっ…ぁぁ…んっ…はぁ…」
「んっ…はぁ…はぁ…」
次第に激しくなる口付け、周りの浪士達の警戒心は解け、面白がりながら見ている…
「はぁ…もっと…んっ…」
「…あ……あぁ…はぁ…」
唇を吸い、舌を絡めとり吸い上げ、時折甘噛みしたり…
斎藤にとっては初めての体験だ。
(この間のは…
そう言う事だったのか…)
橘が女だとすれば、この間の二人の行為に合点がいく、着流しで良く見えなかったが、つまり普通に男女の行為をしようとしていた訳だ………
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