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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
 

「ねぇ、陽菜聞こえる?」

 ぴちゃぴちゃと粘度の高い音がする。

「すごいね、どこから出てくるんだろう、この蜜。すごく俺に舐めて欲しそうに滲み出てくるんだ」

「……っ」

「だったら、こんなに可愛い下着を着て俺を煽ってくれたんだから、あなたの蜜、俺が舐めてあげないとね」

 両足の紐が解かれ、濡れしきていった部分が晒される。そこを朱羽は寝そべるようにしながら、至近距離でじっくりと眺めている。

「朱羽、恥ずかしい。やめて!」

「だってちゃんと見ないと。あなたのここに俺のを挿れるんだから」

 蜜口を舌でぐるりと円を描くように舐められる。

「はぁぁぁ……朱、羽っ」

「凄く綺麗だよ、陽菜。神々しいくらい」

 そして朱羽は、あたしの足の間に頭を埋めて、花弁を根こそぎ散らすかのように、音をたてて強く吸った。

「いやぁああああ」

 舌を激しく動かし時折強く吸い立てられ、蜜口に細くした舌を差し込まれる。抜き差しされると、舌で朱羽と繋がったような擬似的な錯覚に陥ったあたしは叫ぶ。

「朱羽がいい。朱羽、挿れて。朱羽が欲しい、朱羽のが欲しい」

 偽物じゃなくて、本物がいい。

 もう身体は朱羽が欲しくて濡れているのよ。

「……。おねだりさせようとしてたのに、不意打ちで完全に煽られた」

 やがて、カチャカチャとベルトが外される音がした。


「陽菜」


 見上げると、朱羽が挑むような艶然とした眼差しをあたしに寄越し、銀色の四角い包みを歯で噛んで、手でぴりと破いた。

 その目、その首、その鎖骨。

 漂う色香にくらくらがとまらない。

「ごめん、もう限界」
 
 朱羽の切羽詰まったような荒い息が聞こえて、あたしの心が奮えた。
 
 いつものクールさを返上するほど、あたしを求めてくれていると思えば嬉しくてたまらなかった。

「後であなたをもっと愛すから、だから今は……」

 秘部に熱くて堅いモノが宛がわれ、まずは蜜をまぶしているようだ。

 敏感なところに朱羽のを大きく擦られて、気持ちよくてたまらない。

 ため息のように喘いだ。

「あなたのナカに入らせて?」

 そう苦しげな顔で言う朱羽が愛おしくてたまらない。

 うんと言おうとした時、わずかに視界がぶれた。

 朱羽の顔が、あの時の……あたしを抱いたお父さんの顔にだぶって見えたのだ。
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