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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon

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手で引き寄せた、白いラグ。
その上に朱羽を押し倒せば、朱羽はその長い毛の中にゆっくりと沈み、さらさらとした黒髪が散った。
窓から差し込む光が、片側のバスローブを肩まではだけさせた朱羽を照らし出し、露わになった上腕と胸板の筋肉の隆起を、幻惑的に際立たせる。
朱羽はあたしにされるがまま。気怠そうな表情のまま、無防備で。
ああ――、なんでこのひとは、こんなに綺麗な姿態をしているんだろう。
なんで生娘のような無防備さの中に、成熟した色香を漂わせるのだろう。男ってこんなに綺麗で幻想的な存在なのだろうか。
さらには、蠱惑的な匂いが鼻腔に広がり、くらくらする。
どこまでも男なのに、その妖艶さで男を惑わす女のようでもあり、夢か現(うつつ)かその境界が曖昧で。これはあたしが好きで堪らないから、ここまで美しく思えるのか?
朱羽はなにも言わずにあたしのしたいようにさせているが、瞳の奥にある熱情の炎は、ゆらゆらと能動的に揺れている。
ああ、これは朱羽の情欲だ――。
そう思ったら、たまらない気分になり全身がゾクゾクした。
あたしは朱羽の両横に膝立ちし、朱羽の顔の両側に手をついて、朱羽の顔を真上から覗き込む。
とろとろと蜜がかかったような茶色い瞳が、光に反射したようにきらきらと輝いた。
長い睫に縁取られた切れ長の目。
高い鼻梁。
魅惑的に濡れた、形のいい唇。
魅入られたようにその瞳に引き寄せられ……あたしの顔は朱羽に近づき、朱羽の唇にあたしの唇を重ねた。
しっとりと濡れた朱羽の唇の感触に、下腹部の深層がむずむずする。

