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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第5章 災害ボランティア
「小鳥遊先生の事情は分かっているんですが、2週間程行ってきてくれないでしょうか?」

院長が静かに言った。

…何もこんな時に。いやこんな時だからこそ選ばれたのか?

中国で大地震が起きた。国内、外で災害が起こるたびに、医局長若しくは、それに準ずる医者がボランティアとして短期間派遣されることになっていた。妻の出産を控えている小鳥遊にこの話が来たと言うことは、他に適任者がいなかったということだ。

「判りました。」

小鳥遊は院長にその場で返事をした。

「本当に助かります。では、準備ができ次第行って下さい。」

院長は淡々と小鳥遊に言った。




「何で引き受けちゃったんですか?こんな時に!」

今泉は声を荒げたが、冬は黙って話を聞いていた。

「はい…判っています。でも、他に出せる人が居ないんだと思います。」

自分が引き受けるのに丁度良い人材だったに違いないと思った。

「何で他の大学病院に頼まないんですかね?そっちの方が融通が利くのに。」

今泉は小鳥遊に文句を言い続けた。

「色々な事情があるんでしょう…。」

小鳥遊は荷物を纏めながら淡々と言った。冬の顔を見るのが辛かった。冬は何も言わず、小鳥遊の身の回りのものを揃えていた。今泉は怒って部屋へ籠ってしまった。

「トーコさん…本当に済みません。突然こんなことになってしまって。」

冬も以前から災害ボランティアの話は聞いていた。
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