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ホントの唄(仮題)
第8章 誠実な(?)、情事

「いや……そうじゃなく」


 俺は戸惑い、視線を落とした。

 すると――


「オジサン、だけ――じゃないよ」


「え……?」


「私だって、思うところくらい――あるの。それはね――」


「うっ……!」


 俺と同様に頭を垂れつつあった肉棒を、真の右の掌が包んだ。そうしてから滑らかな指先で、それを俄かに擦り始めてゆく。


「ほら――こんな風に、さ」


「……?」


「今更、おしとやか振りなんて、流石にできないよ。けれど――やっぱり。じっと受け止める女の子の方が――オジサンは好みなのかな、なんて――さ」


「べ、別に……俺は……」


「でも、無理。私は私――だから。こんな私でも――いいの、でしょ?」


 まるで叱られた後の子供みたいに、真は俺の顔を仰いだ。


「あ、ああ……」


 俺は胸が締めつけられたままに、頷き。

 
「じゃあ、オジサンも――在るがままで、ね」


「真……」


「オジサンを、受け止めたい――ううん、私が――今ある全部、受け止めてみせるの」


 そう言った時の俺の知る真の笑顔が、何処までも眩しく思えていた。

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