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ホントの唄(仮題)
第9章 対峙して、知るもの
東京と直通の新幹線で結ばれる、その駅舎に到着。立体駐車場に車を停め、俺たちは駅前のロータリーに降り立つ。
「真――」
俺は大きなキャップを、その頭に目深に被せながら言った。
「目立たないように、気をつけるんだぞ。ほら、馴染みはないかもしれんが、これはテレカだ。何か困ったら、すぐ携帯に電話をするんだぞ」
「うん……わかった」
幾分、心細そうにしている真を、徒歩五分ほど離れた場所にあるシアターまで誘う。特に映画が観たい訳でもなさそうだが、人目を避けるという意味ではそうしてもらうことが、俺にとって有難かった。
そうして、久しぶりに俺は真と別行動となり――。
「さて、と――」
既に受けているメールから再度、相手の到着時刻を確認していた。