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ホントの唄(仮題)
第12章 高崎家の人々
「あの時、俺が言ったセリフを覚えているな」
「ああ……覚えている」
『断言してやってもいい。お前は何時か必ず、この時のことを後悔することになる』
忘れる筈もなく、頭の片隅にはいつもそれが、確かにあった――。
「それで――どうした?」
親父は俺にしかわからぬほどに、至極端的と、それを問うていた。
俺は先に、その意図を察しようと試み、しかしすぐに止める。それが無粋だと思った。親の顔色を窺う、子供ではないのだ。
だから俺は純然と思考し、そうして――。
「後悔は……するさ。苦しかったり、やるせなかったり。上手くいかないことの方が、よほど多かった。だから、後悔もする。だけど――」
「ん――?」
「俺は別に、そんな自分を恥じない。それらが全部、俺の生き方となったから」
伝わるのか、それは微妙だと感じた。素直な想いというものが、決して他者に対して明快なものであるとは限らない。それでも一応、俺は話していた。
すると、親父は――
「フ――ならば、よかろう」
と、笑んでいる。