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第6章 初恋の人

『美月…？』



『え…？あ、ごめん。』



『だから、俺と結婚しよう？』



目の前に差し出された袋は、礼人もプレゼントを買っているお店のロゴが入っている。
礼人が女にあげる指輪と同じものを私はするの…？



『……ごめんなさい。』



『え…？』



『私、結婚できない。』



『何言ってんだよ…お前の親にも会って俺の親にも紹介したのに……何考えてんの？』



『最初から……好きじゃなかった。』



『はぁ！？じゃあ何で俺と3年も付き合ったんだよ！！』



『大好きだった人を…忘れられると思ったから。』



それもあるけど…好きだ好きだって言ってくるし
結婚するにはいい相手だと思ったから。
でも私から好きだと思ったことは3年間一度もない。