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第1章 序章

主人の名前は浩二…

外資系の大手で営業の課長だ。

外資系であるが故に

その規律は厳しく

生真面目の代表みたいな

企業でもあった。

故にそれを守ると生活は

かなりの面で優遇される。

浩二とゆりもその仲の一組だった。

これと言って不満はない…

唯一つを除いて…

浩二は仕事柄出張が多い。

時には三ヶ月帰ってこないことも…

そんな時はゆりが一人

自宅で留守番になる。

ゆりには身寄りがない。

故に実家に帰ることもなく

相手はインコだけだった。

そんなゆりが年齢のせいもあり

知らずに午後のいけない情事に

手を染めるのも時間の問題だった。

「寂しいな…」

ゆりは愛する浩二のいない

この時が一番嫌な時だ。

仕事だけでも寂しいのに

出張ともなるとなおさらだった。

浩二は出張に出るときは

前々日から前日と必ず

ゆりを求めた。

ゆりもこれに応じて

しばしの別れを惜しんだ。