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人妻ゆり
第32章 ゆりとストーカー

ある日…
ゆりがパートからの帰り道。
また、コツコツと足音が聞こえる。
「まただわ…」
ゆりが歩く速度を上げると男も歩く速度を上げた。
ゆりはいきなり走り出して角を曲がって男を待ち構えた。
男がゆりを見失って辺りを見回している。
「探している女は…
ここにいるわよ?」
ゆりが腕を組んで男を睨みつけていた。
「一体どういうつもりなの?
ずっと、私を着け狙っているでしょう?}
ゆりが男に迫って聞いた。
男は無言で下を向いている。
「返事しなさいよ?」
ゆりがもう一歩男に近づいたとき、男は持っていた刃物を喉に当てて
「静かに…しろ…」
とゆりを脅した。
ゆりは男に近づきすぎた。
「キャッ!!」
小さく悲鳴を上げてゆりは固まった。
「し、しまった!!」
辺りには人影がない…
周りからも見えない死角になっている。
男はゆりを後ろから羽交い絞めにして死角になっている場所の一番奥にゆりを引きずっていった。
「離して!!」
暴れるゆりだが、力が強く身動き取れなかった。
「助けてぇ!!」
叫ぼうとしたゆりの頬に鋭い刃物が襲う。
「… …」
「美しい顔に傷を付けたくなければ…大人しくしろ…」
それを見てゆりは恐怖で声も出なくなった。
いきなり走り出して、雄二たちはゆりを見失った。
今頃、必死になって探しているだろうけど…
自分を見つけてくれるかは別問題だ。
ゆりは一番奥の壁に押し付けられて…
男はニヤニヤと笑った。

