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サイドストーリー6
第9章 夢を見るころ
「俺、この資料は今日中に仕上げてくれって言わなかった?」
いつもの冷たい目を細めて、口角だけほんの少し上げて静かな声で言い放った。
篠塚主任は、怖いと言うより、冷たい。
温度が感じられない。
新人の頃、篠塚さんが叱るのを見てそんな風に思った。
「え、あの。もちろん今日中には」
「時間は十分にあったはずだよ。君の今日中っていったい何時までの事だよ?」
時計は19時になろうとしていた。
「・・・・あの、どうしても計算のつじつまが合わなくて」
「ココ」
小さくため息をつきながら、人差し指でトントンとプリントアウトした数字の羅列の一か所を指差した。
「ココでもう一つ関数を入れなきゃ計算が合う訳ないだろ」
「あ・・・あ。そうでした」
その人の資料をもとに、篠塚さんがもう一段階手を加えて、明日の朝部長に提出しなきゃいけない書類のはずだ。
ずっと彼が何かに引っかかっているらしいのは気がついていたけど
篠塚さんが何も言わずに見守っていたので、周りも静観していた。
「自分で解決できないのならさっさと持ってこい。
数字なんだから妥協できるはずないだろ?1円でも見逃すなよ!」
「はい」
これから彼があの資料を完成させて。
その後、篠塚さんが手を加えて、今日中に終わるのかな。
篠塚さんは・・・
冷たいと思われがちだけど、すぐに答えを教える上司より
よっぽど部下を育てる根気があると思う。
ただ、そんな篠塚さんの態度は一見すると冷たくて
分かってくれない人は多い。
いつもの冷たい目を細めて、口角だけほんの少し上げて静かな声で言い放った。
篠塚主任は、怖いと言うより、冷たい。
温度が感じられない。
新人の頃、篠塚さんが叱るのを見てそんな風に思った。
「え、あの。もちろん今日中には」
「時間は十分にあったはずだよ。君の今日中っていったい何時までの事だよ?」
時計は19時になろうとしていた。
「・・・・あの、どうしても計算のつじつまが合わなくて」
「ココ」
小さくため息をつきながら、人差し指でトントンとプリントアウトした数字の羅列の一か所を指差した。
「ココでもう一つ関数を入れなきゃ計算が合う訳ないだろ」
「あ・・・あ。そうでした」
その人の資料をもとに、篠塚さんがもう一段階手を加えて、明日の朝部長に提出しなきゃいけない書類のはずだ。
ずっと彼が何かに引っかかっているらしいのは気がついていたけど
篠塚さんが何も言わずに見守っていたので、周りも静観していた。
「自分で解決できないのならさっさと持ってこい。
数字なんだから妥協できるはずないだろ?1円でも見逃すなよ!」
「はい」
これから彼があの資料を完成させて。
その後、篠塚さんが手を加えて、今日中に終わるのかな。
篠塚さんは・・・
冷たいと思われがちだけど、すぐに答えを教える上司より
よっぽど部下を育てる根気があると思う。
ただ、そんな篠塚さんの態度は一見すると冷たくて
分かってくれない人は多い。