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サイドストーリー6
第19章 キスマーク
柳下が少し困った顔で俺のところにやってきた。
またミスでもしたか?
「あの、加藤さん」
「なんだ?」
「次の社内報で、綺麗な社員の特集をするんですが」
「へぇ」
「俺はあまり社内で顔が利かないので、誰を選んだらいいのか分からなくて」
柳下の方が俺よりよっぽど各部署に顔が利くと思うけどね。
「で?」
「加藤さん誰を選んだらいいかアドバイスを頂けませんか?」
綺麗な社員、ねぇ。
安直な記事だけど、若手の男性社員にはウケるかな。
社内報の担当が柳下になってだいぶ社内報の雰囲気も変わってきた。
今までのように業績や業界情報を載せるだけで
あまり目を通さずに捨てられていた社内報よりよっぽどいい。
なぜか上層部の反応も好評だった。
「教えてやらない事もないけどな」
「是非!」
「みなさん、綺麗どころだけど記事に出てくれるか、は柳下次第だよ」
「はい」