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サイドストーリー6
第22章 横浜発 7:54⑥
1週間の本社勤務のためにフランスから帰って来た私を
広報の矢野主任がエントランスで捕まえた。

「長谷川さん」

この人は妹の彼氏じゃなければ、カッコいいと見惚れるところだ。

「なんでしょう?」
「ちょっと10分ほど良いかな?」
「はい」

エントランスの奥のパーテーションで仕切ってある応接セットに座った。

「あのさ、宮本くんと結婚するつもりだよな?」
「え?」
「いや。深い意味はないんだけど、昨日ふと、俺とさくらが結婚して
長谷川さんと宮本くんが結婚したら、俺って宮本くんの弟?と思ったんだ」

その困ったような苦笑いにおかしくなる。

「そうなりますね」
「だよな」

「でも、矢野主任はさくらと結婚するつもりなんですね?」
「そりゃぁもちろん。そう遠くない将来にプロポーズするつもりだけど」
「よかった」

「さくらのことをよろしくお願いしますね」
「それは任せて。結婚相手はさくらしかいないと思ってるしな」

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