この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
横浜発 7:54
第6章 下
「あの、さっき一緒にいた男は?」
「え?」
三木さん?
「ここ数日、一緒に通勤してるよな?」
「え?」
「あのさ・・・二人でスマホをのぞいたり、マジで凹んでるんだけど」
「ええ?」
矢野さんは私を抱きしめながら、私の頭に自分のほほを乗せてきた。
「数日前に、たまたまさくらをあの時間に見つけて
声をかけようかと思ったけど、男と笑ってた。
やけに親しそうに2人でいるから声をかけられなくて・・・」
見られてたんだ・・・
「7:54に乗らなくなった理由は、さっき話したことだけ?」
「え?」
「あの男は、関係ない?」
抱きしめられた隙間から、潮のにおいがした。
約束通り、海に、連れてきてくれたんだなぁ。
お姉ちゃんが言うには。
矢野さんは女の子にも冷たくて
仕事でも隙がないって感じらしいけど。
私には甘くて、やさしくて。
ちょっと自信がないところがかわいい。
「三木さんは・・・」
私も矢野さんのワイシャツをぎゅっと握りしめた。
ああ、今度は私服で来たいな。
休日に、朝早く約束をして
お弁当と水筒をもって。
シートを持ってこよう。
寒くなる前に来たいな。
もう、そんなに暑くないからシートの上で2人でお昼寝したら気持ちがいいだろうな。
「さくら?」
次のデートの妄想をしていたら
矢野さんが話の続きを促した。
「三木さんは、結婚してるのよ」
「え」
「お子さんの写真を一緒に見てたの。三木さんの自慢なの」
「そ・・・っか」
「お互いに、きちんと言葉にしないとダメなことがまだまだ多いな」
「うん」
「ちゃんと言葉にしよう。ちゃんと相手に聞こう」
「うん」
「え?」
三木さん?
「ここ数日、一緒に通勤してるよな?」
「え?」
「あのさ・・・二人でスマホをのぞいたり、マジで凹んでるんだけど」
「ええ?」
矢野さんは私を抱きしめながら、私の頭に自分のほほを乗せてきた。
「数日前に、たまたまさくらをあの時間に見つけて
声をかけようかと思ったけど、男と笑ってた。
やけに親しそうに2人でいるから声をかけられなくて・・・」
見られてたんだ・・・
「7:54に乗らなくなった理由は、さっき話したことだけ?」
「え?」
「あの男は、関係ない?」
抱きしめられた隙間から、潮のにおいがした。
約束通り、海に、連れてきてくれたんだなぁ。
お姉ちゃんが言うには。
矢野さんは女の子にも冷たくて
仕事でも隙がないって感じらしいけど。
私には甘くて、やさしくて。
ちょっと自信がないところがかわいい。
「三木さんは・・・」
私も矢野さんのワイシャツをぎゅっと握りしめた。
ああ、今度は私服で来たいな。
休日に、朝早く約束をして
お弁当と水筒をもって。
シートを持ってこよう。
寒くなる前に来たいな。
もう、そんなに暑くないからシートの上で2人でお昼寝したら気持ちがいいだろうな。
「さくら?」
次のデートの妄想をしていたら
矢野さんが話の続きを促した。
「三木さんは、結婚してるのよ」
「え」
「お子さんの写真を一緒に見てたの。三木さんの自慢なの」
「そ・・・っか」
「お互いに、きちんと言葉にしないとダメなことがまだまだ多いな」
「うん」
「ちゃんと言葉にしよう。ちゃんと相手に聞こう」
「うん」