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潮騒
第10章 出産 ー高波ー
勝二は一階の、家族の寝間の続き間に布団を敷いて菊乃を寝かす。
「もう大丈夫か?」
「うん、大丈夫。」
「ほな、俺ら帰るぞ。」
二人が帰った後で、タツノが桶に熱い湯と手拭いをたくさん持ってきてくれた。
「あんた海浸かったまま風呂も入られんの気持ち悪いやろ。」
女同士の気安さか、赤ん坊に乳をやり終えた菊乃の着物を脱がし、熱い湯で絞った手拭いでガシガシと拭いてくれた。
潮が乾いて白くこびりついた髪も、丁寧に拭いてくれる。とても気持ちが良かった。
「ありがとう、タツノ…あんたが居ってくれて助かった…勝兄も小吉っちゃんもホンマによう言うといて…」
「分かっとる。大丈夫や。しばらくは体拭いたりしたいやろ?あたしか、あたしが、都合付かん時はサキゑ姉ちゃんにでも、お願いしよか。おばさんは頼りにならんのやし。」
「もう大丈夫か?」
「うん、大丈夫。」
「ほな、俺ら帰るぞ。」
二人が帰った後で、タツノが桶に熱い湯と手拭いをたくさん持ってきてくれた。
「あんた海浸かったまま風呂も入られんの気持ち悪いやろ。」
女同士の気安さか、赤ん坊に乳をやり終えた菊乃の着物を脱がし、熱い湯で絞った手拭いでガシガシと拭いてくれた。
潮が乾いて白くこびりついた髪も、丁寧に拭いてくれる。とても気持ちが良かった。
「ありがとう、タツノ…あんたが居ってくれて助かった…勝兄も小吉っちゃんもホンマによう言うといて…」
「分かっとる。大丈夫や。しばらくは体拭いたりしたいやろ?あたしか、あたしが、都合付かん時はサキゑ姉ちゃんにでも、お願いしよか。おばさんは頼りにならんのやし。」