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茜色の空に
第8章 雪の華
逃げるようにあの町を逃げ出した俺は、行く宛もなくこの人の波に隠れるようにこの町にきた。

その年、この町には珍しい雪の華が舞った。

あの町から逃げ出した俺に、手をさしのべてくれた人たちがいた。

辛くてもきつくても、俺の中にはたったひとつだけの希望があった。

お前は俺を忘れてしまっているだろうか。

この雪の華みたいに、手のひらに乗せたら消えてしまうような想いだったら、どんなに楽だっただろうか・・・
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