この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
向日葵
第11章 想い愛
 「タイトルがCourtというのも斬新ですよね。
『目の前を立ちはだかる強い風があなたに吹つけようとも、襟を立てて堂々と進めばいい。
私はあなたのコート。
優しく包んで温めて、やがて陽だまりの場所へと導くでしょう。
その時、邪魔になるのなら脱ぎ捨てればいい』
という、ラストのセリフは印象的でした。
多分、見返りを求めない純粋な愛って、こんな言葉で喩えるんでしょうね…」


 「斬新でしたか?
実は私もそのセリフが好きです。
私自身、風が強い日は襟を立てます。
この物語を書き終えて今の私が居ます。
江添さんにダメ出しされても、このラストだけは変えたくなかったです」


 「あはは
いや、ラストシーンが一番好きですよ!
私は頑固で偏屈ですからね…
作家さん泣かせかもしれません。
勿論、大物作家さんや売れっ子さんには何も言いませんし、言えません。
ちゃんと身分は弁えてます。 
ただ、新人作家を生かすも殺すも担当者の努力なのかもしれません。
そこはプライドを持ってやらせて頂いてます。

 仕事柄いろんな作家さんの本を読みますが、猫先生の物語は独特ですよね。

 人間の弱さや醜さ、狡さを敢えて浮き彫りにして書かれていて、『なんて奴だ!』と思う登場人物が実は一番人間臭かったりして…。
そういうの求めてる方にはじんわり伝わってくると思いますよ?」

 
 「有難う御座います。
私も精進させて頂き、ご期待に応えられる作家になりたいです。
江添さん直しがあったらいつでも言って下さい」

 「はい。かしこまりました。
先生はこれからアルバイトでしたっけ?」

 「はい。まだまだ物書きで食べて行けませんから、当分は二足のわらじ生活です」


 「はぁ……それはお疲れ様です。
でも、いつか、『陽だまりの猫、ここに有り!』という本が出せますよ。
今回のCourtも個人的には期待してます。
先生の熱烈なファンが放っておきませんよ!
あっ、そうそう!ファンレター届いてますよ」

 江添は自分のデスクに戻り、私宛に届いたものを渡す。


 「月の涙さんからのファンレターです。
この方の感性も凄いですよね! 
私が先生を見つけられたのも、この方のアプローチでしたから」


  『葉月……』

/165ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ