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貸し出し遊戯
第26章 ラグジュアリーブランドの魅力
穏やかな悠介の寝息を聞きながら、蘭は親鸞が唱えた「自然(ジネン)」という言葉を思った。
そこに自ずからなる・・・
悠介とは縁あって知り合い、ベッドを共にして惹かれ合い、その時間の中でこうして心地いい空間を共有出来た。
ふたりの呼吸から「自ずからなる」動きが出て来て、「自ずからなる」スタイルでの付き合いを育ててもいい相手のように感じられた。
自分の心の赴くに任せようと蘭は悠介の寝顔を見ながら思った。
蘭は、そんなふうなことを、とりとめもなく頭に浮かべては消し、
悠介の肩から腕へとマッサージしていき、彼の中の閉塞感を取り払うように命の息吹を吹き込んだ。
蘭が彼の手を取り、掌を押していると、
悠介はうたた寝から覚めたようで、
首を僅かに持ち上げて、また、元の位置に戻した。
仕事のことや、付き合いの話をしながら、
悠介は蘭に、自分の会社の社長の開くマスカレードパーティーの話をしてみようかと思った。