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第8章 剃毛

ニーナを守るはずだった騎士団が逃げだし、ひとり残されたニーナは、途方に暮れつつ、都を彷徨っています。

ニーナに残されたのは、地図や衣類や水筒が入ったリュックサックと、旅立ちの時に父母が渡してくれた３０ゴールドだけです。

３０ゴールドはニーナにとっては大金ですが、これから先の旅費を全て賄うのは不可能でしょう。

このままひとりで旅を続け、この国の西の端に達し、魔物が棲むモグーガ山脈に入るなんて、とても出来そうにありません。


ソーソイヤ村に戻るっていう考えも、ニーナの頭に浮かびます。

どうしよう･･･
ニーナはため息をついて、橋の欄干に腰掛けます。

『用心棒を紹介します』
という貼り紙がされた酒場もあります。

用心棒を雇うという選択肢もありますが、お金が出せそうにありません。

ニーナは迷い続けます。