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あなたが教えてくれたこと
第5章 5
涙の滴が彼の脚や腰に落ちる。
「泣かないで、紫遠さん」
幼い子をあやすように撫でられる背中が気持ちよかった。
「遼平さんが悪いんですっ……」
充血した目で彼を睨んだ。
「そう。俺が無理矢理紫遠さんを襲ったんだ。あなたは悪くない」
今日の過ちを全て担ごうと遼平が呟く。
紫遠は首を横に振りながら鈍い彼を恨んでいた。
「そうじゃないの……好きだ、なんて言うから……」
逃げられないほど深みに嵌まってしまった。今さらこの気持ちに気付かない振りをして過ごせない。
「知らなくてよかったのに……こんな気持ち、知らない方が幸せだったのに」
彼の胸に顔を押し付け、訴えた。
「俺が、守りますから……紫遠さんのことは、必ず」
強く抱き締められ、余計に涙が止まらなかった。
息をするのがこんなに難しいことだなんて、紫遠はこれまで知らなかった。
「泣かないで、紫遠さん」
幼い子をあやすように撫でられる背中が気持ちよかった。
「遼平さんが悪いんですっ……」
充血した目で彼を睨んだ。
「そう。俺が無理矢理紫遠さんを襲ったんだ。あなたは悪くない」
今日の過ちを全て担ごうと遼平が呟く。
紫遠は首を横に振りながら鈍い彼を恨んでいた。
「そうじゃないの……好きだ、なんて言うから……」
逃げられないほど深みに嵌まってしまった。今さらこの気持ちに気付かない振りをして過ごせない。
「知らなくてよかったのに……こんな気持ち、知らない方が幸せだったのに」
彼の胸に顔を押し付け、訴えた。
「俺が、守りますから……紫遠さんのことは、必ず」
強く抱き締められ、余計に涙が止まらなかった。
息をするのがこんなに難しいことだなんて、紫遠はこれまで知らなかった。