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霞草
第7章 すれ違い

ゴールデンウィークに入り宿泊客は増えてきた。

馴染みの客が多いようで、街のようなカップルはいない。
山の景色を楽しむ人達だ。

食堂の手伝いをしながら街の様子を話すのが聞こえる、街は若いカップルばかりで、霞が話していたようにあちこちが混んで行列が出来ているらしい。

街に出かけるのは難しいのではないかと思ったが、
霞は混んでいる街でもいいというので、予定通り最終日に行くことにした。


当日、朝早いバスにのり、街に出かける。

自分の想いを伝えられない僕達は兄妹のようかもしれない。

差し障りのない会話を楽しむ。

街につくと、以前来た時と全然違って、若いカップルでごった返していた。

駅前でまた、二人乗りの自転車を借りる。

「行きは私が後ろね。」

霞が言う。

まずは街中のソフトクリームを目指す。
どこも、行列が出来ている。

順番がきて二つ買い、店先の椅子に腰掛けて食べる。

「霞、味比べするのにバニラにしなくていいの?」

彼女は、ブルーベリー味を買っていた。

「美味しそうだったから、バニラの味見させて?」

僕が返事をする前に、彼女は僕のソフトクリームを舐める。

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